
ここ数年占いに頼る人が増えているらしい。占い依存症の人は、単なる占い好きが高じて、転職や結婚などの人生の一大事を、すべて占いで判断しようとする。女性ばかりではなく、20代から30代のサラリーマン男性にも急増しているとのことである。
今回の転職をお手伝いしたYさん(28才・男性)は、占い依存症だった。
Yさんの転職支援は、本当に大変だった。
「Yさん。機械メーカーのT社はどうですか?従業員の勤続年数が20年ですから殆ど皆さん定年までいる会社だと思いますよ。T社は、華やかな会社ではないですが、純朴な優しい感じの社員の方が多いと感じます。いかがですか?」
「精密部品メーカーのF社はいかがですか?こちらは外国子会社を2社持っていまして、新しい担当者に外国子会社管理を担当して貰いたいと人事部長が言っていましたから、仕事内容としてはYさんの希望に合っていますよ。どうでしょう?」
このように何を聞いても、薦めてもYさんの答えは「いつも頼りにしている占い師に聞いてみます」であり、書類応募も全て占い師まかせの状況だったのである。
よけいなおせっかいかも知れないが、私はYさんに対して、重要な人生の分岐点を占いに頼るのは良くない、自分の人生は自分で決めるべきだ-という話を繰り返し話していた。Yさんの顧問?占い師のアドバイスは、Yさん自身のキャリアや方向性をまったく無視したものであり、占い師の言いなりになることでYさんが幸せになるとは私にはとても思えなかったのである。
Yさんと転職と占いの話をし続けて2ヶ月、ようやくYさんは占い師に頼らずに自分で応募先企業を選べるようになってきた。そして転職活動を始めて3ヶ月に我々が薦めた企業から内定を貰うことができたのである。
「本当にありがとうございました。おかげで満足がいく転職ができました。あと、今までいろいろな占い師にたくさんのお金を払ってきましたが、無料でここまで私の考えていることをズバズバ当てて、未来を予測できたのは○○さんが初めてです。今後も宜しくお願いします。」
「え!?」(絶句)
どうやら今度は私がYさんの顧問?占い師になってしまったようである。